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5月12日 巻坂長編その2UP。
どうだって良いぜ、だって考えるだけで言葉に無りゃしねーんだから…
一言が、一音が耳に噛み付いて麻痺して思考を奪っていきやがる
汗をかいた背中には柔らかくも細かくもない固い触り、
荒々しく掻き立てる爪が、食い込み抉るように快感を埋め込んでいく。
どうなってんだ、オレのカラダ…いい加減馴れてきたハズだろ
「少し痩せたんじゃないか…?」
「…っぜ、…変わ…んねっーよ…ぉ…」
別の生き物みてぇーに動く、制御も望めない。
痛ぇーし、キツイし、脳ミソがクラついてブッ飛びそうだっつーの。
甘い関係なんざぁ望んでねぇーが、これで良いとも思ってもいない。
存分に感覚を味わいたくて、いつだってギリギリが好きで安定した安全なコースを避けてきた。
数センチ幅の綱渡りは一歩の踏み外しも命取りだが、その分たまんねぇーだろ、オカシなくらい。
「食ってないのか…それとも、別の何かだったりするワケ、靖友」
腰の引かれる手さばきに骨が震えて、上手く力の抜けない呼吸が声に変わらずに額を沈める。
背後より這う、上の奴の声が過敏にさせられた神経を刺すように問い掛ける。
弱り果てた感覚と身体でも精一杯の抵抗をしてみせても喜ばせるだけだってのに、分かってんのに…止まない。
「さぁー…なぁ…妬いてんの、お前…」
「さぁ…どうだか、な…」
上目で詰り上げた視線で見上げた顔は慣れたような余裕の無表情。
敷いた身体だけじゃ気に入らなかったか、ぞんざいな扱いはお互い様だろ。
確かめてるなんて甘い台詞は聞きたかねぇーし、いらない。
睨んだつもりが受け取られた答えは別だったのか無理な体勢から腕を引かれて起こされた。
「い゛っで…っ、バッカ体勢考えろって…;!!!」
「靖友が素直に答えないからだ、気持ちイイコトしてるんだから素直になればいいじゃないか…//」
「ケッ…女々しい…つか、いい加減に、しろっ…オレ殺す気かよっ…!!」
脈が伝わるような熱い吐息が首筋にかかり、釣られるようにオレも息を吐いた。
引っ張られた腕の筋が未だに違和感を浮かせて痛みを主張する中で次は肩に痛みが走った。
悲鳴を上げる暇も無く塞がれた口は呼吸さえも奪っていって、獲ようとするればするほど相手の思うツボで、
貪った唇が離され、腹の底から息を吸い込むオレの耳には軽笑する声が聞こえた。
「そんな事はしないさ、殺したら靖友を抱けなくなる…お前も死んだら抱いてもらえなくなっちゃうぜ?」
「アホ…誰も頼んでねぇーし…」
さも楽しそうだと臭わす声が気に食わねぇー…腹ン中で笑ってやがる。
逃がさないとでも言いたげに背中から抱き込まれた身体は汗でベタつくし、
ちっとも気持ちが良く無い新開の腕が一段締め付けを強めた。
「じゃあ、止めるかい」
「ハッ…御免だね」
だってのに、心地いいなんてやっぱオカシイよな…。
返された身体で見上げた顔は熱を帯びたデカい瞳、
俺より筋肉のついた胸板に無意識に唾を飲み込んだ。
動きを早める腰が骨にまでガツガツと振動を伝え、奥へ奥へと推し進める。
身体以上に熱くなった内部から漏れる粘着音に耳をヤラれながら
快感を呼ぶように腕で目を被って口をキツく結んだ時だった。
「靖友」
「んぁ…?」
不意に呼ばれた名前にマヌケな声で返事を返すと、胸元に一点、強く押し付けられた感覚が続いた。
さっきまでがっついていた動きも止んでる…なんだ、スタミナ切れか…と、笑ってやろうかと
腕を退けて合わせた視線に心臓が全身に大きく一つ脈を打って震えを走らせた。
「俺は誰にもお前をやらない…ココ貰うのは俺だけだから覚えておいてくれ」
言葉が終わると同時によりいっそう深く押し当てられていたのは右手の人差し指で
心臓上を狙うように指し当てられていた。
「ハッ!!誰にもやらねぇーよ…お前にもやらねぇーし…//」
「イイねぇ…それでこそ靖友らしい」
機嫌良く答える声のトーンと甘く笑む顔。
馬鹿にしてんのかとさえ思ったが反論を待たずに重たく身体が伸し掛って俺の声を潰してみせた。
呆然と見上げる天井の照明、頭ん中が空っぽのまま新開から与えられる熱に自分の心臓が重なって
確かな脈を感じていた。
「俺が全部貰ってくまでそうやって自分で守っててくれよ」
自分で噛んだ首筋に話しかけるように呟く新開の声。
どうしてお前に指図されなきゃならねぇーんだ?
仕留めるっていうのか、100年早いんだよ…そうやってオレも腹ン中で笑ってやったんだ。
「ヤなこった…」
「クク…可愛く無いなぁ~…//;」
ほらな、考えるだけで言葉になんてなりゃしねぇーんだ。
肩に噛まれた痕、胸元に押され付けた痕、何回と身体に刻まれた痕。
何れは消える、だからまた同じことを繰り返すオレ達。
本当は分かりきってる話もまだ言わない、
互いに今はそれを望んで無いだろうから
代わりに暫くは続く無骨な行為に身を委ねてやっても良いだろう。
お前がオレの底から全てを持っていく時まで、
せいぜい鍵でも掛けて欲しいものは匿っててやるさ。
【END】
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はい、荒北バースデイに書いた新荒でした。してますね、してるつもりです。
私の801なんてこの程度の温さですスイマセン、ゴメンナサイ、
でもどうしてもEROが書いてみたかったんです(ジャンピング土下座)
結末が2パターンあったんですけど、案外纏まっちゃったのでこっちにしましたが
何処かにハッピーバースデイを入れたかったなぁ…。
何故だかこの二人を書くとどう転がしてもEROが入るのはもはや通説になりつつある。
巻坂書いてる時には絶対えっちぃー方向にはいかないのに新荒だと全く逆方向へと走りますアダルティー。
超個人的な願望は新開さんは『好き』というより『愛してる』の方が言うには似合ってる|゚Д゚)))
新荒でも3話ぐらいで纏まる話を考えてはいるんですけれどもダイレクトな書き方が出来ない
ので多分書けないチキン野郎のL仔でしたー!!
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