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5月12日 巻坂長編その2UP。
3月7日もあと少しで次の日に変わろうとしている。
普段の僕ならばもうとっくに眠りについている時間だけど、今日はこうして起きてしまっていた。
目の前の勉強机の上には誕生日のお祝いにみんなからもらったプレゼントが置かれていて、
大小様々な大きさの箱にはおめでとうの思いが詰まっている。
溢れ出してくる嬉しさに未だプレゼントを開ける事が勿体なくて出来ないでもいた。
今泉君、鳴子君、寒崎さん、それにお祝いの言葉をくれた先輩達に
沢山ありがとうを言ってドキドキしながら家に帰ってくると、
僕の大好物ばかりを用意して笑顔で母さんが迎えてくれた。
気持ちもお腹も幸せでいっぱい、夢見心地のなかで時間はゆっくりと流れて今現在、
それでも寝付けないのは少しだけ理由があるんだ。
でも、それもあと数分で解決する。
時計の針がもう間もなく12時で重なろうとしているなかで
傍らに置いた携帯電話に視線を向けても相変わらず無反応のまま…
こうしてもう何回目かな。巻島さん、やっぱり忙しいのかな…。
先日の電話で僕の誕生日がもうすぐだなって話になった時、
当日必ず電話するからと約束してくれたけれど、
今日1日、僕の携帯に巻島さんからの着信は無かった。
でも、覚えていてくれただけでも充分嬉しいことだし巻島さんにも都合があるんだ。
これ以上を望んだらいくら誕生日でもバチが当たりそうだよね。
明日も練習あるし、いい加減に寝ないといけない。
僕は立ち上がり、スイッチを切って布団に向かおうとした時だった。
ブーッブーッブッー。
机の上で暴れるように震える携帯電話に急いで駆け寄り、画面も見ずに通話ボタンを押す。
「もしもし…っ」
『…どうしたっショ坂道、声がひっくり返っちまってるぜ…//?』
電話先から聴こえてきた声は笑んでいるようで、僕が慌てて出た声が可笑しかったようだった。
『坂道、誕生日おめでとう。俺のかわりに沢山祝ってもらったか?』
「はい、みんなにプレゼントとかも貰ってしまいました…本当びっくりしちゃって…//
巻島さんも電話ありがとうございます、約束覚えててくれたんですね//」
『当然、一番最後におめでとう言うのは俺しかいないショ。』
「最後…?」
会話の途中で時計を見ると、既に3月8日に日付は変わっていた。
電話先では変わらず巻島さんの嬉しそうな声が聞こえている。
『一番最初のおめでとう、なんてありきたり…
逆に誕生日の一番最後のおめでとうって、なんか特別な感じがするショ?』
巻島さんらしいサプライズ、こうやっていつも想像の上をいって僕をびっくりさせてくれるんだ。
自分の生まれた日の最後に一番好きな人の声で締め括る、なんて僕には考えつかないものだった。
自然と携帯電話を握る手に力が入る 。僕は12時を過ぎた時計を見つめながら巻島さんに答えた。
「とっても、とってもそう思います…ありがとうございます巻島さん//!」
『よせよ、お前の事祝ってンのにお礼はヘンだろ//;?』
「でも僕は嬉しいです//」
僕の生まれた日の一番最後に聞いたのは、
遥か遠くで祝ってくれる大切な人の声。
きっと一生、忘れられない誕生日だ。
【END】
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我らが天使・坂道君お誕生日おめでとうー(*´∀`*)
何か書きたい書きたいと悩んでいるうちに当日になってしまい。
スマフォで仮書きして特急で書き直したバースデイ話でした。
巻ちゃんらしさを考えたら全く逆の発想をしてくれるんじゃないかな…とvv
遠距離だからこその電話バースデイ、でも其処には距離を超えた
おめでとうがある。次回は一緒に祝って下さいね、巻島さん(・∀・)
ありがとうございました(o・・o)/
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