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5月12日 巻坂長編その2UP。
イギリスの食べ物と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
コテージパイ、フィッシュアンドチップス、ローストビーフ、後はスコーンとかでしょうか。
生活するにおいて衣食住のうち、食はもっとも必要不可欠な項目と私は自負しております。
美味しい食べ物を食べたとき、新しい味に出逢えた時の感動と至福は身近に贅沢を感じる事が出来るからです。
しかしながら残念な事に一般常識のように浸透している『イギリス料理は不味い』という事実。
それでも現在はだいぶ良くなっているとは聞きますが実際のところどうなのよ?という話を
歴史を遡って掲載していこうと思います、ただ単に不味いというわけではなくちゃんとした理由がそこにはあるようです。
理由その1 【伝統を重んじすぎている】
イギリスは歴史の深い国です、伝統を大切にし文化を守りつつ発展した国…なのですが。
伝統を重んじすぎた為に未だに基本となる料理テキストが一世紀以上前のものなのだそうです
一般家庭の主婦にご飯を作ってくださいとお願いしたところ。焼いただけ、煮ただけ、温めただけの超自然体の料理が並んだとか…
しかもメニューが曜日で固定されていてレパートリーは20種類くらいあるわ!と仰ってました。
伝承されている…というか、最初からその料理を食べていれば普通なのかもしれません。
理由その2 【地理条件がよくない】
気候が寒冷で土地が痩せている為に昔は食材に乏しかったそうです。
特に緑黄色野菜は近代になって輸入されるまで知らなかったという冗談みたいな本当の話。
スペインやイタリア、フランスなのに比べて獲れる種類も量も少なかったのも原因の一つと言えます。
貿易で色々なもの仕入れてたんだからもっと食材に力入れてもいいんじゃなかったのかなーと
思っていたんですが、次に説明する理由でその疑問は解決しました。
理由その3 【宗教上の問題】
イギリスの宗教はイギリス正教会というもでプロテスタント(Pt)に分類されます。
一般的なイメージはだいたいカトリック(Ch)の方、なぜそれが食事と関係しているかというと
プロテスタントは質実倹約をモットーにしており食欲に対して快楽を求めない傾向があます。
美味しい物は贅沢な快楽であり精神に反するからだそう…この辺は信仰心の弱い日本人からすれば
理解しがたいところもありますが一概には言えない複雑な問題ですね。
理由その4 【味付けは各自でお願いします】
基本的に味がしない理由、それは味付けをしないで作るからです。
さらに下ごしらえという言葉がイギリス料理にはありません、塩も胡椒もしない場合が殆どで素材本来の味をそのままいただきます。
しかし限界というものもありますよね…なにせイギリス人でさえ自分の国の料理を皮肉るなんてこともしばしば。
『オウムの餌のようだ』『大英帝国の発展は料理の不味さのおかげ』『イギリス料理に必要なのは調味料ではない、麻酔だ』などなど、皮肉もウィットです。
したがって味が足りないとなれば食べる人が自分で調味料を足す他に術は無く、使用する量も半端じゃないのだそうです。
『味付けは料理人の仕事では無い、しっかり火を通すのが役目だ』
ビックリ!なんということでしょう…しかし、そうさせてしまった歴史的ある事件があるのです。
理由その5 【伝染病】
何故これほどまでに煮すぎ焼きすぎな調理法をするかと言うと、大昔に大流行したコレラやペストが原因でした。
今のように衛生管理も不十分な時代、栄養不足に不衛生な食事、生モノからの病原菌媒介
それを少しでも阻止しようと考えた結果の調理法が数世紀経った今現在も根強く浸透して残っているのです。
目安として肉は肉汁や油が落ちきってしまうまでカリカリに焼き、野菜は食感を残さないほどクタクタに煮る、
旨味成分が出ている煮汁は全て処分されて後に残ったのはすっかり栄養の抜けきった食材のみ…甘いも風味もあったもんじゃないですね。
一昔前の料理本にはキャベツは最低30分は煮ることと書かれてあります、もはやそれはキャベツじゃないw
昔の人なりの病気に対する自己防衛処置だったんでしょうね。
理由その6 【上流階級の考え】
金持ちは美味いものを食べるというのが一般的なイメージ。
中国、フランスなどは王政が強く、口に合わない料理を作った料理人を処刑するなんて話はよくあることだったそうです。
料理一つに命がかかれば料理人達は嫌でも躍起になって美味しいものを作ろうと努力します、殺されちゃかないませんものね。
しかしイギリスは王政が基本的に弱く、食に対する関心も薄かった為に料理が殆ど発展しなかったとか。
くわえて上記で説明した宗教観の問題もあり、中世時代の名残を脈々と受け継いでしまったのが
世界でイギリス料理が不味いと言われる原因なのだそうです。
理由その7 【食材の種類とワンプレート】
芋、豆、魚(淡白な白身)これらを長時間下味も付けずに調理した場合どうなるでしょうか?
味もしないですがパッサパサです、口の中の水分を全てもっていかれる事お約束します。
よくワンプレートランチなどと耳にしますがイギリスの場合その言葉が正にピッタリで、
調理しきられた汁物、揚物、煮物、デザートがひと皿に仕切りも無しに盛られて運ばれてくるのですから
甘い、辛い、苦い、酸っぱい、そんなレベルの話で無いことは目に見えて想像できますね。
全部混じっちゃてる…ミラクルテイスト!
以上が主な理由でした。もうね…巻島さんの食生活が心配でならないです。
イギリス留学するって知った時に一番の心配は食べ物でしたよ、身体が資本なんでしょ;大丈夫?
イギリス料理舐めてかかったらエラい目にあうよ(;゚Д゚)!きっとマトモな物食べてると信じてるから私は!
でもなぁ…あんまり食に対して関心薄そうだし、そのへんは上手くやれてるのかなーっても考えたり。
【U+K】で坂道君と御飯を一緒に作ってもらったのも、こういう意図があってのものでした。
一緒にいる人によって味って変わりますからね。。。
もちろん今のイギリス料理を美味しくしようと改良もされてきています。
『一般観光客向けの安いレストランは決して期待してはいけない』
『食事じゃない、エネルギーを摂取するんだよ』『そこそこの金額を出せば美味しい物は食べられる』
と、海外ステイの長い友人は教えてくれました、これはドイツとイタリアの話です。
近年ロンドンはオーガニックブームで食生活もだいぶ変わってきていると聞きます、
新たな発見をするのに新たな組み合わせを!大航海時代の冒険心を忘れないやんちゃなところが好きでもありますが
あんまり突拍子もない事はしない方がいいとも思います、先日なんて蛍光発光するアイスクリームが出来たとか。
食べて大丈夫なのかよソレは…実際写真をみましたが食欲や乙女心は微塵も擽られませんでした、好奇心はありますけどw
さて!それでは気を取り直して今度はイギリスの美味しい物を御紹介しましょう。
私も大好き(≧ο≦)人(≧V≦)ノライフスタイルには欠かせない紅茶のお話です。
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